はじめに、これは治療行為ですので、子供の症状が医療機関を受診するべきかどうかの判断も含めて、治療者の責任において行ってください。まず用意するものは100円ショップで売っている太字用の毛筆を水洗いして自然乾燥してください、使用するのはこれだけです。はじめに「気の通り道」を整える治療です、子供は下着をつけない状態でうつぶせにして、背骨の上を首からお尻の割れ目までゆっくりと軽くなぞります、次に背骨の左側を首から背中、お尻を通って太ももから足の裏の中指までゆっくりと優しくなぞります、そして背骨の右側も同じようになぞります、背中側はこれで終わりです。次は子供を仰向けにして身体の中心を顎から胸、お臍を通って恥骨の上までなぞってください、そして左側の乳首のラインを鎖骨から足の付け根までなぞり、そのまま太ももから足の中指までゆっくりと優しくなぞります、そして右側も同じようになぞります、それが終わったら、左手を持ち上げて肩から肘の外側を通って手の甲側の中指までなぞります、次に脇の下から内側を掌の中指までなぞります、そして右手も同じようになぞります。なお、なぞる回数はそれぞれ1回だけです。これで「気の通り道」を整える治療は終わりです。消化不良の治療は、うつ伏せの時に肩甲骨の下辺から腰までを塗り潰すようになぞります、仰向けの時には腹の全面を塗り潰すようになぞります、なぞる回数はそれぞれ2回です。これらの治療時間は5分以内、長くても10分以内には終えるようにしてください。また子供はツボが充分に発達していないので治療は点で行うよりも面で行うのが一般的です、したがってこのような治療法でも結構効果が期待できます。
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治療は毎日、寝る前に行いますが、子供が興奮して寝つきが悪いようでしたら夕食後あるいは入浴後に行うのがよいでしょう。また治療に慣れてくると気持ち良くてもっとやってと必ずせがむようになりますが、「明日のお楽しみ」と言って治療を終えてください。そうすることで子供は我慢することを学び、明日に期待する心を養うことが出来ます。そして症状が解消したなら治療を終了してもよいですが、「気の通り道」を整える治療は免疫力を高め、感染症にかかりにくい身体を造る効果がありますので、定期的に行ってあげるのがよいでしょう。そしてこれは大人になってから鍼灸治療をした場合、鍼灸治療が良く効く素直な身体になっていますので治療期間が短く、結果的に治療費が安く済みます。最後に大事なこととして東洋医学では『気』の力を重要視しています、治療者は子供の症状を何が何でも治してやるのだという不退転の気持ちを持ってください、そしてそれが「気力」となって毛筆の先端から子供の体内に注入されることをイメージして治療することが重要です。これらの治療を一定期間行ってもまったく効果が見出せない場合、鍼灸院で治療することになりますが、実は関東地方では小児鍼の需要があまりないので小児鍼を専門に行う鍼灸院は非常に少ないです、お近くの鍼灸院で少しでも小児鍼の実績のあるところを確認して治療を受けてみてはいかがでしょうか。