メニエール症候群はめまい、耳鳴り、難聴を総称した内耳性の症候名です、めまいは回転性であることが多く、他のめまいと区別できます。原因は内耳の内リンパ水腫と考えられていますが、発生原因は明らかではありません。症状は急激に起こるのでほとんどの人は医療機関を受診します、西医での治療は安静を確保し対症治療としての薬物投与が行われます、症状は1年~3年で軽快する例が多いようですが10年以上の長期化および難病化する例もあります。鍼灸治療は西医での治療と並行して行います、治療は後頚部の筋緊張を和らげて、耳介部周辺のツボを刺激して血液循環の改善を促します、また耳鳴り難聴には経絡的治療として、足のくるぶしの下辺りにあるツボを刺激すると改善効果が見込めます。
内リンパ水腫の原因として内リンパの過剰生産、または吸収障害と考えられていますが発生機序が明らかでないので現代医学では予防は難しいようです。しかし、めまい発作の誘引として過労、睡眠不足、喫煙、食塩の多量摂取などがあげられていますので、生活の中でこれらを注意してください。また定期的に鍼灸治療を行っていると、代謝機能が促進されて過剰なリンパ液を速やかに体外へ排出できるようになりますので、予防の一環として鍼灸治療を取り入れてみてはいかがでしょうか。