乗り物酔いは加速度病とか動揺病とも言われ、車、船舶、飛行機、列車などに乗った際、動揺刺激によって出現する自律神経症状です。症状はあくびに始まり、顔面蒼白、冷感、頭痛、悪心、そして嘔吐です。原因は乗り物の動揺刺激が内耳の半規管や耳石器系に作用して自律神経の失調状態を発症するものと考えられています。また、内的要因として胃腸障害、睡眠不足、体質、自己暗示なども関係しています。 乗物酔いに対する鍼灸治療は一時的な対症治療ではなく、自律神経機能の強化と体質改善による根治治療を根気強く行います。治療は脊椎の両脇に行うとともに後頚部、耳介部周辺、頭頂部、腹部、足の胃経、および足、腕の特効ツボに対して行います。
乗物酔いを克服するには内的要因の改善が必要です、日常生活の中で胃腸の強化、睡眠不足の解消を図るとともに、特に乗り物を利用するときには「今度も乗り物酔いしてしまう」という自己暗示による発症が大きな比重を占めていますので注意してください。