帯状疱疹は小児期に水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると水痘となりますが、このときに神経節へ潜伏感染したウイルスが、長期間を経た後に再活性化され、神経を伝わって皮膚に疱疹をつくります。帯状疱疹は比較的高齢者に多い疾患ですが、小児や若年者の帯状疱疹もまれではありません。症状は、片側性に神経痛様の疼痛が1週間程度続き、神経の走行に沿
って紅斑が出て数日後水疱が多発します、水泡は10日程度でかさぶたとなり3週間前後で治癒する予後良好な疾患ですが、高齢者の場合、後遺症として帯状疱疹後神経痛と呼ばれる疼痛が長期にわたって続くことがあります。帯状疱疹に対する鍼灸治療は原因がヘルペスウイルスによるものですので、西医による抗ウイルス治療の併用療法として疼痛緩和を目的とした治療になります。治療は疼痛領域を支配する神経根部への働きかけと走行する経絡の要穴に対して行います。また帯状疱疹後神経痛については西医においても消炎鎮痛薬が無効で確実な治療法はない状態です、したがって鍼灸治療では疼痛緩和処置とあわせて体質改善を目的とした全身治療を根気強く行う必要があります。
帯状疱疹は高齢者に多発することから免疫力低下により日和見的に発症すると考えられます。したがって食事、睡眠、運動に配慮して免疫力低下を防ぐようにしてください。また帯状疱疹後神経痛でお悩みの方はお近くの鍼灸院に相談されてみてはいかがでしょうか。