顎関節症は咀嚼筋の疼痛、開口障害、顎関節雑音を主症状とする顎口腔系機能障害症候群の総称です。症状は五つに分類され、1,咀嚼筋障害、2,関節包・靭帯障害、3,関節円板障害、4,変形性顎関節症、5,その他のものとなっています、これらの症状の中で、最も頻度が高いのは関節円板障害です。顎関節症の発症原因は、噛み合わせの異常、精神的ストレス、外傷などが考えられていますが不明な部分が多いようです。顎関節症に対する治療は、まず歯科、口腔外科による治療が先決です、したがって鍼灸治療は併用療法として疼痛緩和と筋緊張の緩和を目的とした治療になります。治療は、患側咀嚼筋の圧痛部位を中心に行い、後頚部、肩部、肩甲間部の筋緊張に対しても行います、またストレス緩和を目的とした治療も行います。
顎関節症の発症原因に顎の弱体化、噛み合わせ異常、ストレスなど生活習慣病ともいえる部分がありますのでそれらを是正することによってある程度の予防は可能です。顎関節症は進行性の疾患で重症化すると全身症状に発展してしまいますので、西医の治療が思わしくない場合はお近くの鍼灸院に相談されてみてはいかがでしょうか。