腱鞘炎には腱鞘内面を覆う滑膜の炎症と、腱鞘の線維性壁の慢性肥厚性の炎症とがありますが両者は明確に区別できない場合が多いようです。 また腱鞘炎には、物理的な刺激による腱鞘炎と細菌感染が原因となる腱鞘炎があります。物理的な刺激による腱鞘炎では、短母指伸筋と母指外転筋の腱鞘が手関節橈側部で発症する場合と指の屈筋腱で発症する場合があります。細菌感染による腱鞘炎では、化膿菌による感染と結核菌による場合とがあり屈筋腱の腱鞘に多発します。腱鞘炎に対する鍼灸治療は、短母指伸筋と母指外転筋の腱鞘が手関節橈側部で物理的な刺激によって発症するという、ド・ケルバン腱鞘炎については圧痛部位を中心に両筋の筋緊張を緩める治療を行います。細菌感染による腱鞘炎は西医での治療と併用して行います。
ド・ケルバン腱鞘炎の場合、スポーツによる手関節の使い過ぎや、初産婦が赤ん坊の世話で頭部を支える掌に力が入りすぎて起こすようです、これらは手関節のストレッチを日常的に行うことで予防できます。また腱鞘炎の場合、症状が軽いうちに治しておかないと慢性化してしまいますので、お近くの鍼灸院で治療されてはいかがでしょうか。