椎間板ヘルニアは頚椎、胸椎、腰椎のどこにでも発生し、それぞれ頚椎椎間板ヘルニア、胸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれますが、下部腰椎のL4ーL5間とL5ーS1間の腰椎椎間板ヘルニアが多くなっています。椎間板は、中心にある髄核と周囲の線維輪からなり、椎体間のクッション材としての働きををしています、この椎間板の髄核が線維輪を破って飛び出した状態を椎間板ヘルニアと呼びます。症状は、L5,S1神経根の痛み、知覚障害、運動麻痺、などがあり、また腱反射低下を起こします。疼痛は、坐骨神経の走行に沿って放散し、咳、くしゃみおよび息みで増悪します。ヘルニアが中心性で巨大な場合は、両下肢麻痺、膀胱直腸障害を起こすので緊急手術が必要です。 腰椎椎間板ヘルニアに対する鍼灸治療は、手術対応以外は保存療法が主となりますので積極的に行います。治療は、神経根部、棘突起間、脊柱起立筋、及び坐骨神経の走行に沿って行います。
椎間板ヘルニアは30歳代から40歳代に多発しています、これはいわゆる働き盛りにもかかわらず、脊柱を保護している筋肉、靭帯、関節包が衰 えてきて、脊柱に過度の負担がかかっているからです。これを防ぐには、過労にならないようにすると共に適度な筋力トレーニングが必要です。鍼灸治療はヘルニアそのものを治す効果はありませんが、痛みを緩和し、軟部組織への血液循環を促進する効果がありますので、お近くの鍼灸院で治療されてみてはいかがでしょうか。