胆石は胆道内に発生する結石で、発生した部位により胆嚢結石、総胆管結石、肝内結石に分けられます、その内胆嚢結石が80%~90%を占めています。また結石の組成によりコレステロール胆石と色素胆石に分けられています。コレステロール胆石の発生機序はコレステロールが通常は胆汁酸の作用で胆汁中に溶け込んだ状態なのが、コレステロール過剰状態になるとコレステロール結晶が現れ、これが集まって発育したものがコレステロール胆石です。色素胆石の場合は水に溶けないビリルビンカルシウムが発育成長したものです。日本では現在1000万人近くが胆石を保有していると推定されていますがその内過半数が無症状胆石といわれ、一度も胆石症状を示さない人たちです。胆石の症状は腹痛、発熱、黄疸で、これを胆石の三主徴と呼んでいます、特に発熱や黄疸が出た場合は症状が重篤で緊急な対応が必要です。胆石症に対する鍼灸治療は症状が疝痛発作のみの場合は積極的に行います、これは胆石が十二指腸開口部を通り抜けたときの痛みですので西医においても経過観察となります。しかし症状が発熱、黄疸などが出ている場合は胆石が十二指腸開口部をふさいでしまっている可能性が高いので西医での検査及び治療が必要です。治療は胆石特有の圧痛点を中心に行い、胆経への経絡治療及び背中側と腹部のツボに対して治療を行います、また再発防止の為、コレステロールやビリルビンの代謝促進を目指した全身治療が特に重要です。
色素胆石の場合は主因が胆汁うっ滞と胆道感染ですので予防は困難ですが、コレステロール胆石の場合はコレステロール過剰が原因ですので脂肪摂取を制限することによって予防できます。また一度発作が起こると繰り返し発作が現れる場合がありますので脂肪摂取制限のほか、過労、過食、アルコール摂取などは控えるようにしてください。また鍼灸治療には総合的な体質改善作用がありますので、お近くの鍼灸院で治療されてみてはいかがでしょうか。